「子羊の群れキリスト教会 いのちの家」見学会(2016.12.10)設計者松尾和生さんの説明要旨

「いのちの家」前景「いのちの家」後景玄関周りのタイルは、座かんさい同人増田憲治(織部製陶代表)の制作見学前の説明会、半数は学生さん。瞑想室のステンドグラスは、座かんさい同人余頃明の制作で、他にも4枚。左から、設計者松尾和生さん、子羊の群れキリスト教会伝道者・いのちの家窓口鈴木尚美さん、俳優・NPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り」代表堀内正美さん。  堀内さん「ANDOさんお嫌いなんですね。」 松尾さん「むかし誘われましたが、お断りしました。」

『「いのちの家」は、「風の教会」と姉妹のような関係にあります。敷地は三角形ですが教会とほぼ同じ広さ、建築費もほぼ同じでお金がなく、1年半お金が集まるのを待ちました。

どの階も窓を開ければ風が通るように設計。実際に水を流すと維持管理費が掛かり過ぎるので断念し、替わりにタイルで水を表現。窓の傾きは教会と同じく、光を受ける傾きになっている。また、傾いているのでここで賛美練習をされる時も対面せず、天井も高いこともあって、音が広がりを持つ。既製品は唯一照明のみ、ただし人口木材を削り飛ばして形をつくり、嵌めてから塗り廻すという手間はかかるが、あまりお金がかからない工法を採用。柱も梁もコンクリート、但し外も内もすべて左官仕上げをしています。これは「風の教会」も同じで、人の手が残っている空間はやはり心地いい。

最初のプランからあまり変わらずに、竣工までこぎつけた。
そのプランの元になったイメージは、

「白いハトの羽のように 
子羊が牧場に群れているように 
美しい音を奏でるピアノのように 
いのちを感じる自由な線 
柔らかくて優しく 
いのちの家と呼ぶに相応しい 
動的ないのちあるかたち…

時が来るのを待ち続け 
自然に天が動く時が来る 
人が決めるのではなく…

柔らかく清楚で、優しい
女性的なイメージ
動きがあり、のびのびとした線」』

建築名称:いのちの家
発注者 :子羊の群れキリスト教会
設計者 :(株)日本設計(松尾和生)
施工者 :(株)藤木工務店
所在地 :兵庫県芦屋市陽光町5番4号
主用途 :修道院(宗教施設)
階数  :地上4階
最高高さ:平均地盤+17.40m
構造  :RC造
延床面積:1,805.83㎡
竣工  :2016年8月

(編集/文責/写真 座かんさい同人 今北龍雄)